Disease

じんましん(蕁麻疹)

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「急に体がかゆくなって、赤いふくらみが出てきた」「夜になると決まってかゆくなる」「出たり消えたりをくり返して、もう何週間も続いている」。じんましん(蕁麻疹)は、多くの方が一度は経験する身近な皮膚の症状です。多くは数時間のうちに跡もなく消えていきますが、くり返したり長引いたりすると、かゆみや見た目の不安から、日常生活に大きな負担となることがあります。このページでは、じんましんの症状や原因、治療法、ご家庭での対処法までを、できるだけ分かりやすくご説明します。川名ごとう皮フ科クリニックは、一般皮膚科・アレルギー科の視点から、つらいかゆみをしっかり抑えつつ、その背景にある原因や誘因まで含めて一緒に考える診療を大切にしています。

じんましんは、多くの場合、適切な治療で症状をコントロールしていける病気です。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

じんましんとは

じんましん(蕁麻疹)は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(この盛り上がりを「膨疹(ぼうしん)」と呼びます)、強いかゆみをともなう病気です。膨疹は、出てから数十分〜数時間、長くても24時間以内には、あとかたもなく消えていくのが大きな特徴です。一つひとつの膨疹は消えても、場所を変えて新しい膨疹が次々と現れ、「出たり消えたり」をくり返すことがよくあります。

膨疹ができる仕組みには、皮膚の中にある「マスト細胞(肥満細胞)」という細胞が関わっています。なんらかのきっかけでマスト細胞から「ヒスタミン」という物質が放出されると、皮膚の血管が広がって血液中の成分がにじみ出し、その部分がむくんで盛り上がります。これが膨疹であり、同時にヒスタミンが神経を刺激することで、強いかゆみが起こります。じんましんの治療で「抗ヒスタミン薬」が中心になるのは、このヒスタミンの働きを抑えるためです。

じんましんは、特別な人だけがなる病気ではなく、子どもから大人まで、誰にでも起こりうるありふれた症状です。一度きりで治まることもあれば、くり返し悩まされることもあります。まずは病気の性質を正しく理解しておくことが、落ち着いて付き合っていく第一歩になります。

主な症状

じんましんには、次のような特徴的な症状があります。

  • 膨疹(ぼうしん):蚊に刺されたような赤い盛り上がりが、ぽつぽつと出たり、地図のように広がってつながったり、円を描くように出たりします。大きさや形はさまざまです。
  • 強いかゆみ:チクチク、ヒリヒリした感覚をともなうこともあります。痒くてかいてしまうと、刺激でさらに膨疹が広がることがあります。
  • 一過性(出たり消えたり):個々の膨疹はふつう数時間〜24時間以内に消え、あとに跡(しみや傷)が残らないのが典型的です。「朝はあったのに、病院に着いたら消えていた」ということも珍しくありません。

症状の出る範囲はさまざまで、体の一部だけのこともあれば、全身に広がることもあります。なかでも注意していただきたいのが、唇やまぶた、のどなどが大きく腫れる「血管性浮腫(けっかんせいふしゅ/クインケ浮腫)」をともなう場合です。また、息苦しさ、声のかすれ、強い腹痛、めまいなどをともなう場合は、まれに全身的なアレルギー反応(アナフィラキシー)の一部であることもあります。こうした症状があるときは、ためらわず医療機関を受診してください。

原因・メカニズム

じんましんは、「原因を特定できる場合」と「特定できない場合」があります。実際の診療では、はっきりとした原因が分からない「特発性(とくはつせい)じんましん」が大半を占めることが知られています。原因が分からないと不安に感じられるかもしれませんが、原因が特定できなくても、お薬で症状をコントロールしていくことは十分に可能です。代表的なタイプには、次のようなものがあります。

  • 特発性じんましん:明らかなきっかけがなく出るもので、最も多いタイプです。疲れやストレス、睡眠不足、かぜなどの感染症が、症状の出やすさに関係していると考えられることがあります。
  • アレルギー性のじんましん:特定の食べ物(魚介類、卵、そば、果物など)や、薬剤などが引き金となって出るものです。原因がはっきりしている場合は、その回避が大切になります。
  • 物理的な刺激によるじんましん(物理性じんましん):皮膚への刺激そのものが引き金になるタイプです。下着やベルトでこすれた・圧迫された部分に出る「機械性じんましん」、冷たさで出る「寒冷じんましん」、温まって出る「温熱じんましん」、日光で出る「日光じんましん」などがあります。
  • コリン性じんましん:入浴や運動、緊張などで汗をかいたときに、小さな膨疹が多数出るタイプです。比較的若い世代に多くみられます。

また、症状が続く期間によって、発症から6週間以内でおさまる「急性じんましん」と、6週間以上にわたってくり返す「慢性じんましん」に分けられます。急性のものはかぜなどの感染をきっかけに出ることもあり、比較的短期間で落ち着くことが多いとされます。一方、慢性じんましんの多くは特発性で、はっきりした原因が見つからないまま、よくなったり悪くなったりをくり返します。あせらず、根気強く付き合っていくことが大切なタイプです。

じんましんになりやすい・出やすいとき

次のような項目に心当たりがある場合、じんましんが関係している可能性があります。あくまで受診の目安としてご確認ください。正確な診断には、医師の診察が必要です。

赤く盛り上がったかゆい皮疹が出て、数時間〜1日以内で消える

症状が出たり消えたりをくり返している

疲れたときや寝不足のとき、体調をくずしたときに出やすい

汗をかいたとき、体が温まったときに小さなブツブツが出る

下着やベルトでこすれた部分、圧迫された部分に出ることがある

特定の食べ物や薬を口にしたあとに出たことがある

これらに当てはまっても、必ずしもじんましんとは限りません。逆に、当てはまらなくてもじんましんのことはあります。気になる症状がくり返す場合は、自己判断で様子を見続けるより、一度皮膚科でご相談ください。

じんましんを放置するとどうなるか(早期受診の重要性)

急性のじんましんは、数日から数週間で自然に治まることも少なくありません。しかし、症状が長引いたり、何度もくり返したりする場合に、適切な治療を受けないまま我慢を続けていると、いくつかの面で負担が大きくなることがあります。

まず、強いかゆみは、睡眠を妨げたり、日中の集中力を低下させたりして、生活の質(QOL)を下げてしまいます。とくに夜にかゆみが強くなると、眠りが浅くなり、疲れがとれにくくなる、という悪循環に陥ることもあります。見た目の膨疹が気になって、人と会うのがおっくうになる、という心理的な負担を感じる方もいらっしゃいます。

また、「たかがじんましん」と自己判断で放置したり、市販薬だけで凌いだりしているうちに、症状が慢性化して、コントロールに時間がかかってしまうこともあります。慢性じんましんは、症状をしっかり抑えながら、根気よく治療を続けていくことで、出ない状態を保ちやすくなる病気です。早めに治療を始めることが、つらい時期を短くする近道になります。

なお、繰り返しになりますが、じんましんが稀に重い全身症状(アナフィラキシー)の一部としてあらわれることがあります。膨疹やかゆみに加えて、息苦しさ、声のかすれ、嘔吐、強い腹痛、めまい、意識がもうろうとするといった症状をともなう場合は、命に関わることもあるため、ためらわず救急受診してください。これは頻度の高いことではありませんが、知っておいていただきたい大切な点です。なお、症状の程度や経過には個人差があります。

当院のじんましん治療の特徴

じんましんの治療では、「いま出ているつらいかゆみをしっかり抑えること」と、「その背景にある原因や誘因を一緒に探っていくこと」の両輪が大切だと、当院は考えています。当院では、皮膚科専門医による標準的な治療を土台としながら、アレルギー科の視点、そして食事・生活の視点も組み合わせて診療を行います。

皮膚科専門医による、アレルギーを見据えた診療

じんましんは、背景に物理的な刺激やアレルギー機序が潜んでいることもあるため、当院では問診を丁寧に行いながら、必要に応じて血液検査などでアレルギーの関与を確認します。なお、これらは経歴・資格に基づくものであり、治療の結果を保証するものではありません。

「皮膚は体を映す鏡」:原因・誘因を生活から一緒に探る

後藤院長は、「皮膚は体の状態を映す鏡」という考え方を診療の軸にしています。とくに慢性のじんましんでは、はっきりした原因が見つからないことも多く、疲れ・ストレス・睡眠不足といった日常の要因が症状の出やすさに影響していることがあります。そこで当院では、抗ヒスタミン薬などでかゆみと膨疹をしっかり抑えながら、並行して生活習慣や食事、ストレスといった背景にも目を向け、患者様と一緒に誘因を探っていきます。管理栄養士も常駐し、必要に応じて食事面からのサポートも行える体制を整えて参ります。ただし、これは標準治療を土台に置いたうえでの追加の選択肢です。

通いやすく、続けやすい体制

慢性のじんましんは、症状をコントロールしながら、ある程度の期間付き合っていく病気です。だからこそ、無理なく通い続けられることが大切です。お子様連れのご家族から大人の方まで、幅広い世代が利用しやすい環境づくりを心がけています。

じんましんの治療の流れ(初診〜)

初めて受診される際の、大まかな流れをご説明します。実際の進め方は、症状や状態によって変わる場合があります。

受付・問診

ご来院後、問診票に、症状の出る時間帯や部位、一つの膨疹がどのくらいで消えるか、いつごろから続いているか、思い当たる誘因(食べ物・運動・入浴・体調など)、これまでに試したお薬などをご記入いただきます。じんましんは受診時に症状が消えていることも多いため、可能であれば、症状が出ているときの写真をスマートフォンなどで撮っておいていただくと、診断の参考になります。

診察

医師が皮膚の状態を確認します。受診時に膨疹が消えていても、症状の経過やお話の内容から診断できることが多いので、ご心配いりません。患者様のお話をしっかり伺うことを診療の基本としています。気になっていることは、遠慮なくお話しください。

検査(必要に応じて)

慢性のじんましんや、なかなか治まらない場合、特定のアレルギーが疑われる場合などには、血液検査などを行うことがあります。検査の要否や内容は、診察のうえで判断します。

治療方針のご説明

診察・検査の結果をふまえ、治療の進め方を分かりやすくご説明します。お薬の種類や使い方、続けていただく期間の目安などをお伝えし、ご納得いただいたうえで治療を進めることを大切にしています。

治療・経過観察

抗ヒスタミン薬などで症状を抑えながら、経過を見て治療を調整していきます。症状が落ち着いてきたら、お薬の量を少しずつ見直していくこともあります。自己判断で急にやめると、ぶり返すことがあるため、続け方についても一緒に確認していきます。

じんましんの治療方法・選択肢

じんましんの治療の基本は、ヒスタミンの働きを抑えて、辛い痒みと膨疹を抑えることです。併せて、原因や誘因がはっきりしている場合には、それを避ける工夫も大切になります。ここでは一般的な治療法をご紹介します。どの治療が適しているかは、症状のタイプや経過などに応じて、医師が一人ひとりの状態に合わせて検討します。

抗ヒスタミン薬(内服)

じんましん治療の中心となるのが、ヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン薬」の内服です。多くの場合、飲み薬によってかゆみと膨疹がやわらぎます。近年は、眠気の出にくいタイプの抗ヒスタミン薬も広く使われており、お仕事や学業への影響にも配慮しながら、症状や生活に合わせて選んでいきます。

効果が十分でない場合には、お薬の種類を変更したり、量を調整したりして、その方に合う組み合わせを探っていきます。また、症状が落ち着いても、すぐにお薬をやめると再びぶり返すことがあるため、しばらくは内服を続け、状態を見ながら少しずつ減らしていく、という進め方をとることがあります。続け方や減らし方は、自己判断ではなく、医師と相談しながら決めていくことが大切です。

症状・原因に応じた治療

物理性じんましん(機械性・寒冷・温熱・日光など)やコリン性じんましんでは、引き金となる刺激(こすれ・圧迫・冷たさ・温まり・発汗・日光など)を、生活のなかでできるだけ避ける工夫が、症状の軽減につながります。食べ物や薬剤など、はっきりした原因が分かっている場合は、その回避が治療の柱になります。一方で、原因がはっきりしない特発性じんましんでは、無理に原因を一つに決めつけず、お薬で症状を抑えながら、体調や生活を整えていくことを基本とします。

ご家庭でのケア・予防(セルフケア)

じんましんは、日常生活のちょっとした工夫で、症状を軽くしたり、出にくくしたりできることがあります。お薬による治療と並行して、次のような点を意識してみてください。

体を温めすぎない

入浴は熱すぎないお湯にし、症状が強いときは長湯を避けましょう。温まることで、かゆみが強まることがあります。

こすらない・かかない

かいたりこすったりする刺激は、膨疹を広げたり悪化させたりします。かゆいときは、冷たいタオルなどで軽く冷やすと、やわらぐことがあります。

規則正しい生活を心がける

睡眠不足や疲れ、ストレスは、じんましんの誘因になることがあります。十分な休息をとり、生活リズムを整えることが、症状の安定につながります。

思い当たる誘因を記録する

症状が出た時間、食べたもの、その日の体調や状況などをメモしておくと、原因や誘因を探る手がかりになります。

刺激の少ない衣類を選ぶ

体を締めつける衣類や、チクチクする素材は、機械性じんましんの引き金になることがあります。ゆったりとした、肌にやさしい衣類が安心です。

自己判断で薬をやめない

症状が落ち着いても、医師の指示する期間はお薬を続けることが、再発を防ぐうえで大切です。

症状が強い、息苦しさをともなう、なかなか治まらない、といった場合は、無理をせず、早めに受診してください。

よくある質問

Q. じんましんの治療は保険がききますか?

A. はい。じんましんの診断・治療は、保険診療の対象です。診察、抗ヒスタミン薬などの処方、一般的な血液検査も保険が適用されます。当院では、保険診療でできる範囲のなかで、おひとりおひとりをていねいに診てまいります。費用について気になる点は、診察時にお尋ねください。

Q. 原因は必ず分かりますか?

A. 実は、はっきりした原因が特定できないことのほうが多い病気です。とくに慢性じんましんでは、原因が分からないまま経過することが少なくありません。ただ、原因が不明であっても、お薬で症状をコントロールしていくことは十分に可能ですので、ご安心ください。

Q. 何科を受診すればよいですか?

A. 皮膚にあらわれる症状ですので、皮膚科の受診をおすすめします。当院はアレルギー科も診療科目としており、アレルギーの観点も含めて診療します。お子様のじんましんにも対応します。

Q. 慢性じんましんは、どのくらいで治りますか?

A. 経過には個人差があります。数か月でよくなる方もいれば、より長く付き合っていく方もいらっしゃいます。お薬を続けながら、まずは「症状が出ない状態」を保つことを目標にし、落ち着いてきたら少しずつお薬を減らしていく、という進め方が一般的です。自己判断で中断すると、ぶり返すことがあるため、医師と相談しながら進めましょう。

Q. 食べ物に気をつけたほうがよいですか?

A. 特定の食べ物で出ることがはっきりしている場合は、その回避が大切です。一方で、原因と決まっていない食品まで、自己判断で過度に制限する必要はありません。極端な食事制限は栄養のかたよりにつながることもあります。当院には管理栄養士が常駐していますので、食事や栄養の面で気になることがあれば、あわせてご相談いただけます。

Q. 市販のかゆみ止めでも大丈夫ですか?

A. 一時的にかゆみが和らぐこともあります。ただし、くり返す場合や長引く場合は、原因の評価と、その方に合った治療のために、皮膚科の受診をおすすめします。市販薬でしのぎ続けるよりも、一度ご相談いただくことが、結果的に早い改善につながることがあります。

Q. ストレスでじんましんが出ることはありますか?

 A. はい。直接の原因とまでは言いきれないものの、疲れやストレス、睡眠不足が、じんましんの出やすさに関わると考えられることがあります。とくに慢性じんましんでは、生活リズムや体調を整えることが、症状の安定につながる場合があります。当院では、お薬による治療とあわせて、生活面の見直しも一緒に考えていきます。

Q. 子供もじんましんになりますか?受診できますか?

A. はい。じんましんは、子どもにもよくみられる症状です。かぜなどの感染をきっかけに出ることもあります。当院は小児皮膚科・アレルギー科も診療科目としており、後藤院長は小児のアレルギー診療に関する研修も修了しています。院内にはキッズコーナーもございますので、お子様の症状もどうぞお気軽にご相談ください。

院長から患者様へ

じんましんは、ありふれた症状である一方で、「原因が分からず不安」「くり返して辛い」というお声をよく耳にします。私は、まずは辛い痒みをしっかり抑えることを大切にしながら、その背景にある生活や体の状態にも目を向けていきたいと考えています。

「皮膚は体を映す鏡」。とくに慢性のじんましんでは、疲れやストレス、生活リズムといった日常の要因が関わっていることも少なくありません。お薬で症状を抑えながら、その方の生活全体を見つめ、一緒に誘因を探し、無理なくコントロールしていく——そうした診療を心がけています。同じお薬をただ出し続けるのではなく、その時々の状態に合わせて治療を見直し、一人ひとりに合った形を一緒に探していきたいと思っています。

つらい症状を一人で抱えこまず、どうぞお気軽にご相談ください。皮膚のことだけでなく、体全体の健康と美しさのかかりつけ医として、地域の皆さまにご利用いただけるクリニックでありたいと願っています。

川名ごとう皮フ科クリニック 院長 後藤 克修

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