Disease

子どものほくろ

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生まれたときにはなかった場所に、いつの間にか黒い点ができている。前より少し大きくなった気がする。お子様の体にできたほくろは、ご家族にとって気になるものです。ネットで調べると不安になる情報も出てきて、心配が募ってしまうこともあるかと思います。まずお伝えしたいのは、お子様のほくろの大半は良性であり、成長とともに数が増えたり、体の成長に合わせて大きくなったりするのは自然なことだということです。一方で、大きさや変化によっては、経過を見ていったほうがよいものもあります。このページでは、お子様のほくろについて、心配のいらないものと、確かめたほうがよいものをご説明します。

子どものほくろとは

ほくろは、医学的には**色素性母斑(しきそせいぼはん)**といい、メラニンをつくる細胞(母斑細胞)が集まってできたものです。

**生まれつきあるもの(先天性色素性母斑)**と、**生まれた後にできてくるもの(後天性色素性母斑)**があります。

後天性のほくろは、成長とともに増えるのが自然です。 生まれたばかりの赤ちゃんにはほとんどありませんが、幼児期から学童期にかけて少しずつ増え、思春期ごろにかけてさらに増えていきます。日本人の成人では、平均して十数個から数十個のほくろがあるとされています。

また、体が成長すれば、ほくろも一緒に大きくなります。 背が伸び、体が大きくなるのに合わせて、ほくろの直径も少しずつ大きくなるのは自然なことです。「大きくなった」と感じられても、体の成長に比例した変化であることがほとんどです。

日本人のお子様における悪性黒色腫(メラノーマ)は、非常にまれです。ご心配になるお気持ちは自然ですが、確率としては極めて低いものだとお考えください。ただし、「まれだから見なくてよい」ということではありません。確かめるべきものは確かめる、というのが皮膚科の役割です。

気にしなくてよいことが多い変化

  • 数が少しずつ増えている(成長とともに自然に増えます)
  • 体の成長に合わせて、少しずつ大きくなっている
  • 色が均一な茶色〜黒色で、境目がはっきりしている
  • 形が左右対称に近い
  • 日焼けした後、少し濃くなったように見える
  • 手のひら・足の裏にほくろがある(お子様では珍しくありません)

とくに「手のひらや足の裏のほくろは危ない」という話を耳にされることがありますが、お子様の手のひら・足の裏のほくろは決して珍しいものではなく、その多くは良性です。ただし、大きさや模様によっては確認しておいたほうがよい場合もありますので、気になる場合はダーモスコピー(拡大鏡を用いた観察)で確かめることができます。

確かめたほうがよい変化

次のような場合は、一度診察を受けていただくことをおすすめします。

  • 短期間(数か月)で、明らかに大きくなった(体の成長を超える速さ)
  • 形がいびつで、左右非対称
  • 境目がぼやけていて、はっきりしない
  • 色が均一でなく、濃淡が入り混じっている
  • 黒色以外の色(赤・青・白)が混じっている
  • 出血する、じくじくする、かさぶたをくり返す
  • 硬いしこりとして盛り上がってきた
  • かゆみや痛みが続く
  • 周囲に色がにじみ出している
  • 1つだけ、明らかにほかと違う見た目のものがある

とくに重要なのは、**「変化していること」「ほかと明らかに違うこと」**です。

大きな「生まれつきのほくろ」について

生まれつきある色素性母斑のうち、**大きなもの(先天性巨大色素性母斑)**については、経過の観察が必要とされています。大きさによって考え方が異なりますので、生まれつき大きなあざ状のほくろがある場合は、一度ご相談ください。必要に応じて、専門的な体制の整った医療機関へご紹介いたします。

早めに確かめる意味

ご不安を解消できます。

実際のところ、これがいちばん大きな意味かもしれません。「調べてみたら心配のないものでした」とお伝えできることは、皮膚科の大切な役割だと考えています。ご家族が何か月も気にされているより、一度確かめて安心していただきたいと思っています。

変化の記録が残ります。

一度診ておけば、次に見たときに「変わっているかどうか」が判断できます。写真で記録しておくこともご案内できます。

まれな病気を見逃さないため。

お子様のメラノーマは非常にまれですが、ゼロではありません。ダーモスコピーで確認しておくことで、見落としを防げます。

摩擦の多い部位への対応。

ベルトの位置、下着のゴムが当たる部分など、くり返し刺激を受ける場所にあるほくろは、変化に気づきにくかったり、炎症をくり返したりすることがあります。

一方で、すべてのほくろを取る必要はありません。

むしろ、必要のない処置は避けるべきだと考えています。大切なのは、取るかどうかを決める前に、それが何なのかを確かめることです。なお、経過には個人差があります。

当院の診療の特徴

お子様のほくろの診療は、保険診療での診察・検査が基本です。川名ごとう皮フ科クリニックでは、確かめることと、必要のない処置をしないことの両方を大切にしています。

皮膚科専門医による診療

当院の院長・後藤克修は、日本皮膚科学会が認定する皮膚科専門医です。皮膚のできものは見た目が似ていても性質が異なることがあるため、診断を確かめてから方針を決めることを大切にしています。

「見て、確かめて、必要なら経過を追う」

お子様のほくろの診療で当院が行うのは、まず**ダーモスコピー(拡大鏡を用いた観察)**です。肉眼では分からない色素の分布や構造を確認できます。痛みのない検査で、お子様への負担もありません。

そのうえで、経過を見ればよいものと、確かめたほうがよいものを整理してお伝えします。そして、経過を見る場合には、どんな変化があれば受診いただきたいかを具体的にお伝えします。「様子を見ましょう」だけで終わらせると、何を見ていればよいか分からず、ご不安が続いてしまうためです。

また、必要のない処置はおすすめしません。 お子様のほくろを見た目のために取ることは、局所麻酔や傷跡の負担を考えると、慎重に判断すべきことだと考えています。医学的に必要と判断される場合を除き、成長を待ってからご本人の意思で決めていただくという選択もあります。

判断に迷う場合や、より専門的な対応が望ましい場合には、これまで診療にあたってきた基幹病院をはじめとする医療機関へご紹介いたします。

通いやすい体制

所在地は名古屋市昭和区折戸町で、地下鉄鶴舞線「川名駅」から徒歩10分ほど、屋根付きの駐車場を14台分ご用意しています。院内にはキッズコーナーや多目的トイレを設け、お子様連れのご家族が来院しやすい環境づくりを心がけています。ほくろは経過を見ながら判断していく場面も多いため、気軽に立ち寄っていただける場所でありたいと考えています。

診療の流れ(初診〜)

受付・問診

問診票に、気づいた時期、変化の有無、症状(かゆみ・痛み・出血)、ご家族の状況などをご記入いただきます。過去の写真をお持ちいただけると、変化の有無が分かりやすくなります。

診察

医師がほくろを直接診て、大きさ・形・色・境目・数を確認します。

ダーモスコピー検査

拡大鏡を用いて、色素の分布や内部の構造を観察します。痛みのない検査です。

方針のご説明

(1) 心配のないもの、(2) 経過を見るもの、(3) さらに確かめたほうがよいもの、を整理してご説明します。経過を見る場合は、どんな変化があれば受診いただきたいかを具体的にお伝えします。

必要に応じた対応

診断を確かめる必要がある場合は、病理検査や連携医療機関へのご紹介を検討します。

対応の選択肢

経過観察(多くの場合)

明らかに良性と考えられるほくろについては、無理に取らずに経過を見ます。定期的に写真で記録しておくと、変化の有無が客観的に分かります。

ダーモスコピーによる定期確認

気になるものについては、間隔を決めて確認していく方法があります。

病理検査(生検・切除)

診断を確かめる必要がある場合に、局所麻酔のもとで採取し、顕微鏡で調べます。お子様の場合、じっとしていられるかどうかも判断の材料になります。 難しい場合は、専門的な体制の整った医療機関をご案内します。

見た目を理由とした処置について

医学的に取り除く必要がないと判断されたほくろを、見た目を理由に処置することをご希望される場合は、**保険診療とは別のご案内(自費)**となります。ただし、お子様の場合、局所麻酔の負担や傷跡が残ることを考えると、慎重に判断すべきだと考えています。成長を待ってからご本人の意思で決めていただくという選択もあります。方法や費用については、診察時にご説明します。

連携医療機関へのご紹介

大きな先天性色素性母斑、全身麻酔が必要な処置、判断に迷う病変などについては、専門的な体制の整った医療機関へご紹介いたします。

ご家庭でのケア・注意点

写真で記録する

スマートフォンで、日付とともに撮影しておきましょう。定規やコインなど、大きさの分かるものを一緒に写すと、比較しやすくなります。同じ距離・同じ明るさで撮ると、より正確です。

紫外線対策

ほくろの数は、日焼けの経験と関係があると考えられています。日焼け止め、帽子、衣類による保護は、長い目で見て皮膚を守ることにつながります。お子様のころからの対策が大切です。

こすらない・自分で処置しない

市販の薬品やもぐさなどで自己処理しようとすると、傷や感染のもとになるほか、正しい診断の機会を失うことにもつながります。

「刺激するとがんになる」わけではありません

日常的な摩擦だけで悪性化するという明確な根拠は確立していません。ただし、くり返し傷つく場所にあるものは、一度診察を受けておくと安心です。

見えにくい場所も確認

背中、頭皮、足の裏、指の間などは、ときどきご家族が見てあげてください。

よくある質問

Q. 子どものほくろが増えてきました。心配でしょうか。

A. お子様のほくろは、成長とともに増えるのが自然です。幼児期から思春期にかけて少しずつ増えていきます。数が増えること自体は、通常心配のいらない変化です。

Q. 大きくなってきた気がします。

A. 体の成長に合わせて、ほくろも大きくなります。背が伸びるのに比例した変化であることがほとんどです。ただし、数か月で明らかに大きくなった形がいびつになってきたという場合は、一度診察でご確認ください。

Q. 足の裏のほくろは危ないと聞きました。

A. お子様の手のひら・足の裏のほくろは決して珍しくなく、その多くは良性です。ただし、大きさや模様によっては確認しておいたほうがよい場合もあります。ダーモスコピーで確かめられますので、気になる場合はご相談ください。

Q. 取ったほうがよいですか?

A. 多くの場合、取る必要はありません。医学的に必要と判断される場合を除き、経過を見ることをおすすめしています。見た目を理由に取ることをご希望の場合は、局所麻酔の負担や傷跡が残ることをふまえて、慎重にご相談ください。

Q. 診察には保険が使えますか?

A. ほくろの診断のための診察・検査は保険診療の対象です。お住まいの自治体の医療費助成も適用されます。一方、医学的に必要がないと判断されたものを見た目のために取る場合は、保険診療とは別のご案内(自費)となります。

Q. ダーモスコピーは痛いですか?

A. 拡大鏡を当てて観察するだけですので、痛みはありません。お子様への負担もほとんどありません。

Q. 生まれつきの大きなあざ状のほくろがあります。

 A. 大きな先天性色素性母斑については、経過の観察が必要とされています。大きさによって考え方が異なりますので、一度ご相談ください。必要に応じて、専門的な体制の整った医療機関へご紹介いたします。

Q. 日焼け止めは何歳から使えますか?

A. お子様向けの製品が各種ありますので、月齢・年齢に合ったものをお選びください。まずは帽子や衣類、日差しの強い時間帯を避けるといった対策から始めるのもよい方法です。

Q. どのくらいの間隔で見てもらえばよいですか?

 A. 状態によりますが、気になるものについては間隔を決めて確認していく方法があります。診察時にご案内します。

Q. 家族にほくろが多いです。遺伝しますか?

A. ほくろのできやすさには体質的な要素が関わるとされています。ご心配な点は診察時にお尋ねください。

院長から患者様へ

皮膚は、体の状態を映す鏡だと、私は考えています。同時に、皮膚は唯一、ご自身の目で直接見ることのできる臓器でもあります。だからこそ、そこにある小さな黒い点が、ご家族にとっては大きな気がかりになるのだと思います。

お子様のほくろでご相談にみえるご家族の多くが、ネットで調べて不安を募らせていらっしゃいます。まずお伝えしたいのは、お子様のほくろの大半は良性で、成長とともに増えたり大きくなったりするのは自然なことだということです。日本人のお子様において、悪性のものは極めてまれです。

ただ、「まれだから見なくてよい」とは考えていません。確かめるべきものは確かめる。ダーモスコピーは痛みのない検査で、数分あれば済みます。この一手間で、ご家族の何か月分かのご心配が解消されるなら、それは十分に意味のあることだと思っています。「調べてみたら心配のないものでした」とお伝えできることも、皮膚科の大切な役割です。

そして、必要のない処置はおすすめしません。お子様のほくろを見た目のために取るには、局所麻酔が必要で、傷跡も残ります。医学的に必要でないのであれば、成長を待って、ご本人が自分で決められる年齢になってから考えるという選択もあります。今すぐ取らなければならないものと、そうでないものを、きちんとお伝えしたいと思っています。

もうひとつ、経過を見る場合には、何を見ていればよいかを具体的にお伝えするようにしています。「様子を見ましょう」だけでは、ご家族は何を基準に判断すればよいか分かりません。写真の撮り方、変化の見方をお伝えしておけば、安心して見守っていただけます。

私自身、患者様とご家族のお話をしっかりうかがい、分かりやすくご説明し、納得していただいたうえで進めることを信条としています。気になるほくろがあってご不安を抱えていらっしゃる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

川名ごとう皮フ科クリニック 院長 後藤 克修

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