分け目の地肌が、以前より目立つ気がする。まとめた髪の束が細くなった。排水口の抜け毛の量に、ふと手が止まる——。女性にとって、髪のお悩みはとても打ち明けにくいものです。「薄毛で受診するのは恥ずかしい」と、ひとりで悩み続けてこられた方も少なくありません。けれど、女性の薄毛は男性の薄毛とは進み方も背景も異なります。そして、女性の場合は、体の内側の病気が抜け毛として表れていることが少なくありません。 鉄が足りていない、甲状腺のはたらきが乱れている、産後のホルモンの変化。原因が違えば、必要な対応も変わります。このページでは、女性の薄毛の種類と原因、見極めが必要な病気、治療の考え方を、できるだけ正直にご説明します。
※本ページでご紹介する治療の多くは自由診療(保険適用外)です。一部、保険診療の対象となるものもあります。詳しくは各項目をご確認ください。
女性の薄毛(女性型脱毛症)とは
女性にも、加齢とともに髪が細く少なくなっていく脱毛症があります。これを**女性型脱毛症(じょせいがただつもうしょう/FPHL:female pattern hair loss)**と呼びます。以前は「女性男性型脱毛症」と呼ばれることもありましたが、女性では男性ホルモンの関与が男性ほど明確でないことが分かってきたため、現在は「女性型脱毛症」という呼び方が一般的です。
男性の薄毛との違い
- 生え際は比較的保たれます。男性のような、こめかみから後退していくM字型の変化は女性ではあまりみられません
- 頭頂部を中心に、全体的(びまん性)に薄くなります。分け目の地肌が広く見える、髪をまとめたときの太さが細くなる、というかたちで気づかれます
- 完全に毛がなくなることは少なく、細く短い毛が残っていることがほとんどです
- 背景に別の病気が隠れていることが、男性より多いとされています。ここがとても大切な違いです
同じ治療をあてはめると、本当の原因を見落としてしまうことがあります。なお、毛周期(ヘアサイクル)の基本的なしくみや男性の薄毛については「男性型脱毛症(AGA)」のページで詳しくご説明しています。
進み方のパターン(ルードヴィッヒ分類)
進み方を整理する分類としてルードヴィッヒ分類が広く用いられています。頭頂部の薄さの程度によってI度からIII度に分けるもので、I度は分け目がやや広がって見える段階、II度は地肌が目立つ段階、III度は頭頂部の毛が著しく少なくなる段階です。このほか、前頭部が「クリスマスツリー」のような形に広がって薄くなるパターンも知られています。
女性の薄毛は「ひとつの病気」ではありません
抜け毛が増えた、髪が細くなったという同じ訴えの背景に、さまざまな原因が隠れていることがあります。それぞれ必要な対応が違い、保険診療で治療できるものも、原因を取り除けば自然に回復していくものもあります。 だからこそ「まず何が起きているのかを見極めること」が、男性以上に重要になります。
女性の薄毛が起こる原因
女性型脱毛症(FPHL)のしくみ
女性型脱毛症では、毛が伸び続ける成長期が短くなり、十分に育ちきる前に次の周期へ移ってしまいます。その結果、毛が細く短くなる**軟毛化(なんもうか)**が進み、全体のボリュームが失われていきます。
加齢、遺伝的な体質、ホルモン環境の変化などが関わると考えられていますが、男性型脱毛症ほど原因がはっきりしていません。 男性型脱毛症ではジヒドロテストステロン(DHT)の関与が明確ですが、女性型脱毛症では男性ホルモンの関与の程度に個人差があります。
出産後の脱毛(分娩後脱毛症)
妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンの影響で、本来なら休止期に入るはずの毛が成長期にとどまります。出産によってホルモンが急激に減少すると、とどまっていた毛が一斉に休止期へ移行し、産後2〜4か月ごろから抜け毛が急に増えることがあります。
これは生理的な変化であり、多くは半年から1年ほどかけて自然に回復します。ただし産後は睡眠不足、食事の乱れ、鉄不足が重なりやすい時期です。また、出産後に一時的に甲状腺のはたらきが乱れること(産後甲状腺炎)もあります。「産後だから当たり前」と片づけてしまうと、こうした背景を見落とすことがあります。 1年以上経っても戻らない、強いだるさをともなうといった場合は、一度ご相談ください。
更年期・月経に関連する変化
閉経が近づくとエストロゲンの分泌が減少し、髪が細くなった、分け目が目立つようになったと感じる方は少なくありません。また、月経の量が多い方は鉄が不足しやすい状態にあり、これが後で述べる鉄欠乏と抜け毛につながることがあります。
ダイエット・栄養の不足
髪の主成分はたんぱく質(ケラチン)で、その合成には鉄・亜鉛といったミネラルも関わっています。短期間で体重を落とす食事制限のあと、2〜3か月ほど遅れて抜け毛が増えることがあります。体が、生命維持に直接関わらない髪への栄養供給を後回しにするためです。
ヘアケア・髪型による負担(牽引性脱毛症)
いつも同じ位置できつく髪を結ぶ、エクステンションを装着し続けるといった習慣で毛根が引っ張られ続けると、**牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)**を起こすことがあります。生え際や結び目のまわりが薄くなるのが特徴で、早い段階で負担を減らせば回復が期待できますが、長く続くと戻りにくくなります。また、頻繁なカラーリングやパーマ、高温のヘアアイロンは毛髪そのものを傷めて切れ毛を増やします。
薄毛の背景に隠れていることがある病気
女性の薄毛では、この項目が最も大切です。髪の変化が、体の内側からのサインであることが少なくありません。
- 鉄欠乏・鉄欠乏性貧血
月経、妊娠・出産、授乳、食事制限で女性は鉄が不足しやすい状況にあります。健康診断の「貧血なし」だけでは、鉄が足りているとは言い切れません。ヘモグロビンが基準内でも、体に蓄えられている鉄(貯蔵鉄)が減っていることがあります。 - 甲状腺機能の異常
はたらきが強すぎても弱すぎても抜け毛が増えることがあります。女性に多い病気で、強いだるさ、寒がり・暑がり、体重の急な変化、動悸などをともないます。診断がつけば保険診療での治療につながります。 - 膠原病(こうげんびょう)
全身性エリテマトーデス(SLE)などで脱毛が現れることがあります。円板状エリテマトーデスでは頭皮に赤みを生じ、瘢痕となって毛が生えなくなることがあります。 - 円形脱毛症
脱毛斑が典型ですが、頭部全体がびまん性に薄くなるタイプもあり、女性型脱毛症と紛らわしいことがあります。保険診療の対象です。詳しくは「円形脱毛症」のページをご覧ください。 - 休止期脱毛症
高熱の出る病気、手術、急激な減量、出産、強いストレスなどのあと、2〜3か月ほど遅れて全体的に抜け毛が増える状態です。きっかけが取り除かれれば回復していくことが多いものです。 - 瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)
毛包が壊れて線維化するタイプで、毛穴が確認できなくなるのが特徴です。女性では、生え際が帯状に後退し眉毛も薄くなる前頭線維化性脱毛症が中高年以降に生じることがあり、早く見つけて進行を抑えることが大切です。 - ホルモンに関わる病気 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などでは、薄毛のほかに月経周期の乱れ、にきび、体毛が濃くなるといった症状をともなうことがあります。
- お薬の影響 抗がん剤のほか、血圧・抗凝固・ホルモンに関わるお薬などが原因となることがあります。現在服用中のお薬はすべてお知らせください。 当院の判断だけで中止することはなく、処方元と相談しながら進めます。
血液検査で確認できること
必要と判断した場合には、貧血の有無と貯蔵鉄(フェリチン)の状態、甲状腺のはたらき、栄養状態の指標、亜鉛などのミネラル、必要に応じて自己抗体やホルモンの状態を確認します。すべての方に必要というわけではありません。 検査の目的と、保険診療になるか自費になるかは事前にご説明します。
当院の女性の薄毛治療の特徴
皮膚科専門医・日本臨床毛髪学会所属の医師による診療
当院の院長・後藤克修は、日本皮膚科学会が認定する皮膚科専門医です。あわせて日本臨床毛髪学会に所属し、毛髪と頭皮の診療に関する知見を学び続けています。女性の薄毛は「美容の悩み」として扱われがちですが、これまで見てきたとおり、その背景には皮膚科・内科の診断が必要な病気が隠れていることがあります。頭皮は皮膚であり、脱毛症は皮膚科が扱う領域の疾患です。加えて、日本抗加齢医学会、日本美容皮膚科学会・日本美容内科学会にも所属しています。
後藤院長は、藤田医科大学医学部を卒業後、安城更生病院での初期研修を経て名古屋大学医学部附属病院の皮膚科学教室に入局し、豊田厚生病院、名鉄病院、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院などの皮膚科で診療にあたってきました。大学病院から地域のクリニックまで、幅広い現場で皮膚疾患を診てきた経験を、女性の薄毛の診療にも生かしてまいります。なお、これらは後藤院長個人の経歴・資格に基づくものであり、治療の結果を保証するものではありません。
「男性の薄毛と同じ」で片づけません
当院が女性の薄毛の診療で最も重視しているのは、診断です。
女性の薄毛を男性型脱毛症の女性版としてひとくくりに扱ってしまうと、鉄欠乏も、甲状腺の病気も、膠原病も、円形脱毛症も、瘢痕性脱毛症も、すべて見落としてしまう可能性があります。そしてこれらは、薄毛の治療をどれだけ続けても良くなりません。 むしろ、背景にある病気の発見が遅れることのほうが問題です。
だからこそ当院では、問診でこれまでの経過・月経や出産の状況・体調の変化・服用中のお薬をうかがい、頭皮と毛の状態をダーモスコピー(拡大鏡を用いた観察)で確認し、必要と判断すれば血液検査で全身の状態も調べます。「まずお薬を出してみましょう」という進め方は、当院ではいたしません。髪の変化をきっかけに、体の状態を一度確かめてみる。 女性の薄毛の診療には、そういう意味もあると考えています。
保険でできることは保険で。効かないものには効かないと
診察や検査の結果、円形脱毛症、頭皮の湿疹や脂漏性皮膚炎、甲状腺機能の異常、鉄欠乏性貧血、膠原病などが見つかった場合、その治療は保険診療の対象となることがあります。 当院でそのまま治療を続けていただける場合もあれば、専門的な治療が必要と判断して適切な医療機関をご紹介する場合もあります。一方、女性型脱毛症そのものに対する治療は自由診療(保険適用外)です。当院は、この切り分けをはっきりお伝えすることを大切にしています。保険でできることを自費に寄せることはありません。
そのうえで正直にお伝えしていることがあります。効果の判断には6か月程度の継続が必要とされること、中止すると時間をかけて元の経過に戻っていくこと、効果の感じ方には個人差があること、長い年月をかけて失われた部分が完全に元通りになるものではないこと。良い面だけをご説明して始めていただき、後になって「思っていたのと違う」となるのは、お互いにとって不本意です。必要以上の回数やコースをおすすめすることもありません。
「皮膚は体を映す鏡」— 医師自身が栄養学の認定資格をもつこと
髪はたんぱく質からできており、その合成には鉄・亜鉛といったミネラルが関わっています。女性は月経や出産によって鉄を失いやすく、さらに食事制限が重なると、髪をつくる材料そのものが足りなくなります。
当院には管理栄養士が常駐し、ご希望に応じて栄養や生活面のご相談も同じ場所で受けていただけます。さらに後藤院長自身も、オーソモレキュラー分子栄養医学協会認定ONP(分子栄養学に関する認定資格)を取得しています。血液検査で背景を確かめ、標準的な治療と栄養面からのアプローチを、同じ医師がひとつの方針として組み立てられること。 これが当院の考える強みです。なお栄養面のサポートは、標準的な治療を基本としたうえでご希望に応じてご案内する追加のものであり、効果を保証するものではありません。保険診療とは別のご案内(自費)となります。
誤解のないようにお伝えしますが、栄養を整えれば薄毛が治る、ということではありません。 背景に病気があればその治療が優先ですし、女性型脱毛症には標準的な治療が土台になります。詳しくは「毛髪と栄養の関係」のページでもご説明しています。なお後藤院長は、毎回同じお薬を漫然と出し続ける状態(クリニカルイナーシャ=治療の惰性)を避けたいと考えており、名古屋大学皮膚科での恩師から学んだ、皮膚だけでなく患者さんの背景まで含めて診る包括的・全人的な医療の姿勢を大切にしています。
相談しにくいお悩みであることに配慮します
「薄毛で皮膚科を受診するのは恥ずかしい」「待合室で顔を上げにくい」——そう感じる方がいらっしゃることを、当院は理解しているつもりです。人に聞かれたくないお話は、こちらでうかがいます。また、受診されたからといって、治療を始めなければならないわけではありません。 「原因だけ知りたい」というご相談でも構いません。
通いやすい体制
所在地は名古屋市昭和区折戸町で、地下鉄鶴舞線「川名駅」から徒歩10分ほど、屋根付きの駐車場を15台分ご用意しています。院内にはキッズコーナーや多目的トイレ、エレベーターを設けており、産後の抜け毛でお困りの方がお子さま連れでもご来院いただけるよう配慮しています。
診察・検査の流れ

受付・問診
いつごろから気になり始めたか、月経や出産・授乳の状況、体重や体調の変化、服用中のお薬、ヘアケアの習慣などをうかがいます。

診察(視診・触診・ダーモスコピー)
毛の太さの違い、毛穴が残っているか、炎症や脱毛斑がないかを拡大鏡で観察します。

必要に応じた血液検査
貧血・貯蔵鉄、甲状腺のはたらき、栄養状態などを確認します。目的と費用は事前にご説明します。

診断と治療方針のご説明
背景に病気が見つかった場合は、その治療を優先します。期待できること・できないこと・費用・副作用をあわせてお伝えします。

ご検討・ご決定
その日のうちにお決めいただく必要はありません。

治療の開始と経過の確認
定期的に経過と副作用の有無を確認します。
治療方法
当院で実際に提供する治療の内容については、診察のうえでご案内します。
まず、背景にある病気の治療(保険診療の対象となることがあります)
鉄欠乏、甲状腺機能の異常、膠原病、円形脱毛症、頭皮の皮膚疾患などが見つかった場合は、その治療が優先されます。 背景が改善することで髪の状態が落ち着いていくことがあります。これらの多くは保険診療の対象です。専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、適切な医療機関をご紹介します。
外用薬(自由診療)
女性型脱毛症に対しては、毛包にはたらきかけることで発毛を促すことを目的とした外用薬(一般名:ミノキシジル外用薬)が用いられることがあります。女性では、男性とは異なる濃度のものが用いられます。 効果の判断には6か月程度の継続が必要とされ、使い始めに一時的に抜け毛が増えたように感じられること(初期脱毛)や、かゆみ・かぶれが出ることがあります。妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方は使用できません。 継続が前提であり、中止すると徐々に元に戻っていきます。
女性が使用できないお薬について ★重要
男性型脱毛症に用いられる5α還元酵素阻害薬(一般名:フィナステリド、デュタステリド)は、女性には使用できません。 とくに妊娠中・授乳中・妊娠の可能性のある方については、男性の胎児への影響が懸念されるため、割れたり砕けたりした錠剤に触れることも避けていただく必要があります。 ご家族が服用されている場合は保管場所にご注意ください。「夫の薬を分けてもらう」といったことは、絶対になさらないでください。
そのほかの方法について
上記以外にもさまざまな方法が知られています。ただし薬剤や機器によっては国内での承認状況や適応が異なり、ご説明すべき事項も変わります。当院で取り扱いのある方法とその内容については、診察時に個別にご説明します。
料金
本ページでご紹介する女性型脱毛症の治療は、自由診療(保険適用外)です。 ただし、円形脱毛症、甲状腺機能の異常、鉄欠乏性貧血、膠原病、頭皮の皮膚疾患など、診察の結果ほかの疾患と診断された場合の検査・治療は、保険診療の対象となることがあります。
※料金は税込表示です。 ※実際の費用は、選択される治療内容や処方期間によって異なります。カウンセリング時に総額をご提示し、ご納得いただいてから進めます。 ※栄養相談の費用は別途ご案内します。 ※自由診療と保険診療を同じ日に行えない場合があります。詳しくは診察時にご説明します。
リスク・副作用・注意点
女性の薄毛の治療には、次のようなリスク・注意点があります。必ずご理解のうえでご検討ください。
外用薬について
- 頭皮のかゆみ・赤み・かぶれ 接触皮膚炎を起こすことがあります。症状が出た場合は使用を中止し、ご相談ください
- 初期脱毛 使い始めの時期に、一時的に抜け毛が増えたように感じられることがあります。不安になりやすい時期ですので、気になる場合はご相談ください
- 顔まわりの多毛 塗布した液が顔に流れると、その部分の産毛が濃くなることがあります
- 全身への影響 まれに頭痛・動悸・むくみなどが報告されています。心臓や血圧に持病のある方は、必ず事前にお申し出ください
妊娠・授乳に関して
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方は、外用薬を使用できません
- 男性型脱毛症に用いられる内服薬(5α還元酵素阻害薬)は、女性には使用できません
- 妊娠を計画されている場合は、必ず事前にお申し出ください
治療全体について
- 効果には個人差があります
- 効果の判断には6か月程度の継続が必要とされています
- 中止すると、時間をかけて元の経過に戻っていきます
- 背景に病気がある場合、薄毛の治療だけでは改善しません。まず原因の治療が優先されます
治療中に気になる症状が出た場合は、当院で診察いたします。 自己判断で中止・再開される前に、まずはご相談ください。
ほかの選択肢について
- 原因を取り除いて経過をみる
産後の脱毛、休止期脱毛症、牽引性脱毛症などは、原因が取り除かれれば回復していくことが多いものです。あえて治療を加えず、経過をみるという判断も十分にあり得ます - 髪型やヘアケアの工夫/ウィッグ・ヘアピース
医療行為ではありませんが、気持ちの負担を減らす選択肢です - 何もしないという選択
女性型脱毛症は命や健康を脅かす病気ではありません。気にならないのであれば、何もしないという選択も十分にあり得ます
女性型脱毛症の治療は、医学的に必ず受けなければならないものではありません。
日常のヘアケア・生活で気をつけたいこと
やさしく洗い、しっかり乾かす
シャンプーは指の腹でやさしく。洗ったあとは根元から乾かしてください。
体調の変化を見過ごさない
抜け毛以外に、強いだるさ、体重の急な変化、動悸、寒がり・暑がりになった、月経の乱れといった変化がある場合は、必ず診察時にお伝えください。診断の大切な手がかりになります。
よくある質問
Q. 女性の薄毛の治療に保険は使えますか?
-
A. 女性型脱毛症そのものの治療は自由診療(保険適用外)です。ただし、診察の結果、円形脱毛症、頭皮の湿疹や脂漏性皮膚炎、甲状腺機能の異常、鉄欠乏性貧血、膠原病などが見つかった場合、その検査・治療は保険診療の対象となることがあります。女性の薄毛では、この「切り分け」がとても大切です。
Q. 産後の抜け毛は、放っておけば治りますか?
-
A. 多くは半年から1年ほどかけて自然に回復していきます。ただし産後は鉄不足や睡眠不足が重なりやすく、出産後に一時的に甲状腺のはたらきが乱れることもあります。1年以上経っても戻らない、強いだるさをともなうといった場合は一度ご相談ください。院内にはキッズコーナーがあり、お子さま連れでもご来院いただけます。
Q. 夫が飲んでいる薄毛の薬を、私も使えますか?
-
A. 使えません。男性型脱毛症に用いられる5α還元酵素阻害薬は、女性には使用できないお薬です。とくに妊娠中・授乳中・妊娠の可能性のある方は、割れたり砕けたりした錠剤に触れることも避けていただく必要があります。ご家族が服用されている場合は保管場所にもご注意ください。
Q. 血液検査では何が分かりますか?ダイエット後の抜け毛やサプリメントについても知りたいです。
-
A. 貧血の有無と貯蔵鉄(フェリチン)の状態、甲状腺のはたらき、栄養状態の指標、亜鉛などのミネラル、必要に応じて自己抗体やホルモンの状態を確認します。健康診断で「貧血なし」と言われていても、貯蔵鉄が減っていることがあります。 また、急な食事制限のあと2〜3か月ほど遅れて抜け毛が増えることがあり、多くは食事を戻すことで回復します。なお、シャンプーやサプリメントで髪が生える、と申し上げることはできません。 不足を補うことには意味がありますが、背景にある病気の治療の代わりにはなりません。
院長から患者様へ
皮膚は、体の状態を映す鏡だと、私は考えています。髪もまた、皮膚の一部です。そして女性の髪は、その方の体の内側の状態を、とりわけ正直に映し出します。
私が最も大切にしているのは、まず何が起きているのかを見極めることです。同じ訴えの背景に、鉄が足りていない、甲状腺のはたらきが乱れている、膠原病がある、産後の一時的な変化である、といったまったく異なる原因が隠れていることがあります。ここを飛ばして薄毛の治療だけを始めると、良くならないばかりか、見つけるべきものを見逃してしまいます。
そして、効かないものには効かないとお伝えします。 女性型脱毛症の治療は効果が出るまでに時間がかかり、やめれば戻っていきます。あわせて、髪はお薬だけでは育ちません。 私が栄養学を学び、院内に管理栄養士がいるのは、こうした土台を一緒に見ていきたいからです。ただし、栄養だけで薄毛が治るわけではありません。
最後に。受診をためらう気持ちも、よく分かるつもりです。それでも、女性の薄毛には「調べれば分かること」が多くあります。 治療を受けるかどうかは後で決めていただいて構いません。まずは状態を確かめに来る、という使い方をしていただければと思います。私自身、患者様のお話をしっかりうかがい、分かりやすくご説明し、納得していただいたうえで進めることを信条としています。どうぞお気軽にご相談ください。
川名ごとう皮フ科クリニック 院長 後藤 克修
関連する治療・メニュー
- 男性型脱毛症(AGA)
- 円形脱毛症
- 脂漏性皮膚炎・頭皮の湿疹 ※開設予定
- 毛髪と栄養の関係
- 栄養指導のご案内 ※開設予定
- 皮膚と栄養の関係




